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貿易協議先送りへ 妥協策探る

 【ブリュッセル八田浩輔、ロンドン矢野純一】英国の欧州連合(EU)離脱を巡る第5回交渉会合が12日、終了し、EUのバルニエ首席交渉官は記者会見で「大きな前進は無かった」と述べて、今月19、20日のEU首脳会議で貿易協議の先送りを提案する考えを示した。2019年3月末の離脱を控え、EU側には交渉を進める妥協策を探る動きが出始めた。

     双方は手切れの清算金や英国で暮らすEU出身者の市民権を巡る協議の早期決着を目指し、EU側は「十分な進展」が見られなければ貿易協議入りを認めない構え。バルニエ氏は会見で手切れ金を巡る英国の姿勢は不明瞭だと指摘。市民権についてもEU出身者が英国に呼び寄せた家族も十分な保護が受けられるよう求め「次の首脳会議で将来の関係の協議に入ることは提案できない」と明言した。貿易協議に進む政治判断は12月の首脳会議に先送りされる。

     英国のデービスEU離脱担当相は「良い合意が不可能なら英国はあらゆる結果を考慮する」と決裂も示唆。時間切れ決裂の回避策も今後の焦点となる。

     メイ首相は11日の下院で、19年3月の交渉期限を迎えてもEUと合意に達しない最悪の場合を想定し、予算措置など準備を進めると明らかにした。交渉が決裂すると英国とEU間の貿易には高関税が課せられる。一方で、メイ氏は表向きは離脱交渉に楽観的な姿勢を崩していない。貿易交渉に詳しい外交関係者は「妥協をしたうえで、双方共に『勝った』と思う落としどころを見つけるのがカギになる」と話した。

     英紙フィナンシャル・タイムズによると、バルニエ氏は、離脱後の激変緩和措置で英国が提案した2年程度の「移行措置」を巡る準備協議に入ることを加盟国に提案。しかし手切れ金の解決を優先すべきだと主張するドイツなどが反対している。

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