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昭和史のかたち

ファシズムへの道=保阪正康

左は明治時代の官報の「大日本帝国憲法」の表紙。右上は1968年に政府が日本武道館で開いた「明治百年記念式典」の様子。右下は戦前の満州事変当時の日本軍 コラージュ・大井美咲

 来年は明治維新から150年である。この欄でもその時代区分にふれたことはあるが、それとは別にこの節目に、さまざまな形の儀式や史実の見直し、あるいは史実の補完が行われるべきであろう。すでに安倍晋三政権も、明治に生きた人々の精神を今後の発展の土台に据える、と何らかの行事を考えていると報じられている。

 もっとも安倍首相は山口県の出身だから、ひときわ強い愛着を持っているのかもしれない。明治150年は長州閥権力をもとにつくられてきたからだ。妙な形のナショナリズムの高揚は問題だと思うが、明治人(とくに庶民)の精神や生活、それに発想法などは一概に否定できない。その前の江戸時代、日本は対外戦争を一回も行わなかったが故の非戦の文化をもっている。戦うべき集団の武士階級は、闘争のエネルギーを文化や倫理に転化せしめた。

 もっとも直接の戦闘はなかったにせよ、差別や忠誠心など戦争に伴う徳目を社会生活の中に据えていたのは事実で、戦時の倫理は社会の規範にもなっていた。それが近代日本に継承されたのも事実である。結局、明治150年にあたり、近代日本に積み残しになっている歴史的テーマは何か、改めて検討してみることが必要になろう。私自身は、さしあたり次のようなテーマを検証してみたいと考えている。箇条書きにしてみよう。

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