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社説

神戸製鋼がデータ改ざん 不正の影響は計り知れぬ

 日本の製造業への信頼を揺るがしかねない事態だ。産業界に与える影響は計り知れない。

     神戸製鋼所がアルミニウム・銅製品の強度や寸法などの検査データを組織ぐるみで改ざんしていた。主力の鉄鋼事業やグループ企業でも不正が判明したため、納入先は延べ約500社に上った。際限のない様相を呈している。

     事態の深刻さを示すのは、海外への問題の波及である。米ゼネラル・モーターズなど自動車メーカーや、航空機大手も影響の調査を始めた。

     アルミ・銅製品の不正が判明したのは、国内4工場で8月までの1年間に生産した約2万トンの製品だ。自動車のドア、H2Aロケットや国産ジェットMRJの部品、自衛隊の防衛装備品など幅広く使われている。

     ことは一企業の信用失墜で済まない。グローバル産業で問題が起きた場合の影響の大きさを露呈した。

     不正の広がりは、組織全体の問題であることを浮き彫りにした。グループ企業が中国など海外拠点で生産した9製品で改ざんなどの行為が新たに確認された。

     神鋼はアルミ・銅製品を出荷する際、顧客と契約した製品の仕様に適合しているように検査証明書を書き換えていた。検査回数が足りているように装う記載もあった。

     改ざんには工場の管理職を含め数十人以上が関わったり黙認したりしていた。少なくとも10年間続いていたという。コンプライアンス(法令順守)に反した行為で悪質だ。

     納入先の製品の安全点検に神鋼は全面協力すべきだ。費用面の責任も免れまい。

     同時に、不正がなぜ見過ごされてきたのかを究明する必要がある。

     アルミ・銅製品の不正について、

    神鋼は「現場は納期のプレッシャーを気にしていた」と説明している。同社はこの部門を成長分野と位置づけていた。ゆがんだ拡大路線が不正を生んだのではないか。

     神鋼は昨年6月にグループ会社でデータ不正が発覚し、それ以前にもばい煙データの改ざんなど不祥事が多発している。利益優先の体質があると言わざるを得ない。

     同社は調査委員会を設置した。第三者の目で問題点を洗い出し、経営責任を明確化すべきだ。

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