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中村桂子・評 『CRISPR(クリスパー) 究極の遺伝子編集技術の発見』=ジェニファー・ダウドナ著

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 (文藝春秋・1728円)

魅力にも恐怖にもなるゲノム編集

 二〇一二年に「CRISPR-Cas(キャス)9(ナイン)」技術を発表した研究者の著書である。これは「ゲノム編集」と言われ、従来の組換えDNA技術と異なり、ゲノム内の特定遺伝子を簡単に書き換えられる。第一部「開発」でこの技術が生れるまでの研究過程、第二部「応用」で医療・農業など多分野への活用例と今後の可能性、更には起こり得る危険性が幅広く語られる。

 第一部は専門外の方にはちょっと面倒かもしれないが、読みとるべきことに絞って紹介しよう。細菌DNAに、-◆□◆〇◆△◆-のように◆というある配列がくり返し表われる(CRISPRと呼ぶ)ことは知られていたが、そのはたらきは不明だった。ところが、間にある□や〇にファージ(細菌ウィルス)のDNAがあり、巧みな免疫システムとわかったのである。これがはたらくには外来ウィルスDNAを壊すCasタンパク質Cas…

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