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号外警官刺され拳銃奪われる 大阪・吹田
社説

核禁条約ふれぬ日本決議案 培った信頼が損なわれる

 日本政府が核兵器の全面的廃絶を目指す決議案を今年も国連の委員会に提出した。

     1994年の初提出以降、23年連続で採択されてきた。昨年も加盟国の9割近い167カ国が賛成した。

     唯一の被爆国である日本の取り組みへの共鳴が支持の背景にある。

     しかし、今年はこれまで支持してきた国の一部が反対に回る可能性があるという。

     7月に採択されたばかりの核兵器禁止条約への言及がなく、核軍縮を求める表現が全体的に後退しているのが理由のようだ。

     今年は核軍縮を促す前向きな動きが国際的に相次いでいる。

     核兵器禁止条約採択に続き、今月には条約策定に貢献した国際NGOの「核兵器廃絶国際キャンペーン」(ICAN)へのノーベル平和賞授与が決まった。

     そもそも核廃絶の理念は日本が主導してきた。にもかかわらず、日本は条約交渉には参加せず、ICANの活動とも距離を置いている。

     しかも、決議案は、核保有国への注文も弱めている。

     「核兵器の廃絶を達成するという核保有国の明白な任務」との昨年の文言は、「核保有国の核拡散防止条約(NPT)の完全な履行という任務」に変更された。

     米国が条約に反対し、「核の傘」に頼る日本も米国の圧力に逆らえないためだとの指摘がある。

     NPT体制は核保有国を米英仏中露に限定する一方、この5カ国には核軍縮交渉を義務付けている。

     だが、核保有国が義務を果たさないことへの非核国の不満が核兵器禁止条約制定につながった。

     決議案が、非核国が主導した核兵器禁止条約を評価しない一方、核保有国の義務を緩和したとなれば、核廃絶の理念とは逆行する。

     決議案では北朝鮮の脅威が強調されている。核廃絶の追求というより、北朝鮮対応に決議案を利用していると取られても仕方ない。

     近年の採決では北朝鮮と中露が反対し、昨年はシリアが加わった。さらに拡大すれば日本外交に痛手だ。

     安全保障を優先し、核軍縮を後退させるようでは、日本の信頼低下は免れず、長期的な国益が損なわれるばかりだ。

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