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武田 砂鉄・評『見えない不祥事』小笠原淳・著

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組織で悪事を隠蔽し身内をひたすら守り抜く

◆『見えない不祥事』小笠原淳・著(リーダーズノート出版/税別1500円)

 「ひき逃げ行為をし、相手に負傷を負わせた」巡査は訓戒止まり、「職務上知り得た個人情報を利用し、部外異性に不快感を与えるメールを送信するなどした」巡査部長も訓戒、「節度のない飲酒により同僚2人に暴行した」巡査部長も訓戒……決して懲戒処分にならない北海道警察の甘すぎる処分は、そもそも著者が道警を相手取って公文書を開示請求しなければ明らかにすらならなかった事案なのだ。

 「部内の異性に対し、つきまといなどをした」警部補には所属長注意のみ。ストーカー行為に対して、上司からの注意ですまされていた。かつての道警釧路方面本部長が語るところによれば、彼らには「治安維持のためなら多少のことは許されるという、誤った使命感」があるという。その歪(ゆが)んだ倫理に、記者クラブでは警察の不祥事は広報されない、というシンプルすぎる癒着関係がかけあわさり、「正義の味方」であるはずの警察…

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