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田中優子の江戸から見ると

法政大総長・田中優子さんのコラム。江戸から見る「東京」を、ものや人、風景から語ります。

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選挙

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 衆議院選挙の投開票日が迫ってきた。江戸時代の人々には選挙権がなかった。だからといって生きる上でとっても困る、ということはない。村は直接の合議で運営されていたからである。そのかわり寄り合いに出るのは家長だけだった。代議員制度とそのための選挙は、個人の人権を行使する民主主義に、欠かせない制度である。

 前回、武士階級では子供の頃から本の素読をした、と書いた。その中心は「論語」の素読である。たとえばこんなのがある。「子いわく、君子は諸(これ)を己に求む。小人は諸を人に求む」。何かが起こっても、君子はその責任が自分にあるのではないかと考えるが、小人は常に他人のせいにする、という意味である。君子…

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