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歴史散歩・時の手枕

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別子銅山(愛媛県新居浜市) 宝採掘の営み、天空に

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遠くに新居浜の市街地と瀬戸内海を望む別子銅山の東平エリア=愛媛県新居浜市で、長尾真希子撮影
遠くに新居浜の市街地と瀬戸内海を望む別子銅山の東平エリア=愛媛県新居浜市で、長尾真希子撮影

 西日本最高峰・石鎚山(1982メートル)の東麓(とうろく)に位置する「別子銅山」(愛媛県新居浜市)。1691年に大阪の住友家が開坑し、閉山までの282年間に約3000万トンの鉱石を採掘した世界有数の大銅山は、日本の近代化に大きく貢献した。今も山中にひっそりと眠る産業遺産を巡り、当時に思いをはせた。

 ボランティアガイドの谷口淑子さん(73)と一緒に目指したのは、標高750メートルに位置する「東平(とうなる)エリア」。1916年から30年まで現・住友金属鉱山の採鉱本部が置かれた“天空の町”だ。同地区には当時、最大約3800人が住み、労働者とその家族のために、社宅や小中学校、病院、商店や歌舞伎を上演する娯楽施設などが建ち並んでいたという。

 思わず目を見張ったのは、山中に突如として現れた花こう岩やレンガ造りの貯鉱庫や索道基地跡。鉄道の駅舎などがある山麓の端出場(はでば)エリアまで鉱石をリフトでおろしていた名残だというが、一部が風化しつつも、まるで時間が止まったかのような“日本近代化の残像”が今も残る。そこには確かに、人々の営みの息吹が存在していたのだ。

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