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本村凌二・評 『写本の文化誌 ヨーロッパ中世の…』=クラウディア・ブリンカー・フォン・デア・ハイデ著

 ◆『写本の文化誌 ヨーロッパ中世の文学とメディア』

 (白水社・3564円)

「多声的な意味関連」にひそむ活力

 古代のカエサルは雄弁家であるばかりか、『ガリア戦記』などの作品も書いている。明晰(めいせき)で簡潔なラテン語の典型といわれ名著の誉れが高い。ところが、中世のカール大帝となると、教育制度の改革には熱心だったのに、本を読むには読めたが書くのはほとんどできなかったという。

 貴族の多くは朗読を聞いて記憶すればよかった。ましてラテン語などの「学識」などおぼつかなかった。むし…

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