音楽

新国立劇場のワーグナー《神々の黄昏》 意味深く届く演奏=評・礒山雅

  • ブックマーク
  • メール
  • 印刷

 新国立劇場が挑んだワーグナー《ニーベルングの指環(ゆびわ)》新制作が、《神々の黄昏(たそがれ)》で完結。メッセージを集約する巨編に、感慨深く耳を傾けた(4日)。

 つややかな響きをほとばしらせるオーケストラ(読売日本交響楽団)が、この日の主役。網の目のように入り組んだ、時として前衛的な音楽がつねに意味深く届いてきたのは、ワーグナーに生涯をささげてきた指揮者、飯守泰次郎の手腕だ。

 この公演から教えられたのは、天上で滅びを待つヴォータンが、伝令使ヴァルトラウテの姿で、事実上舞台に登場しているのだということである。世界の行く末を案じる大神の思いは、指環を河底に返してくれというブリュンヒルデへの懇願としてその妹ヴァルトラウテに託され、物別れに終わる。第1幕の半ばをつなぐこの二重唱が天下分け目の重要性をもって再現されたのは、音と言葉のワーグナー的結合を体現する歌い手、ヴァルトラウ…

この記事は有料記事です。

残り420文字(全文810文字)

あわせて読みたい

ニュース特集