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記者の目

唱歌「故郷」と福島の被災者=奥山はるな(東京社会部)

 「兎(うさぎ)追いしかの山……」で始まる唱歌「故郷(ふるさと)」。山里の情景を描いたこの歌を、東日本大震災の津波や原発事故でふるさとを追われた福島県の人たちは、歌えなくなっているという。その理由を尋ね歩き、企画「歌えない『故郷』」(東京本社版朝刊で9月24~29日、計4回)を連載した。震災後、置かれた境遇は異なるのに、みな、望郷の思いだけは変わらない--。取材を進めていくにつれ、その思いを深くした。

 震災から5年になろうとしていた昨年1月、私は避難者が集うさいたま市のサークルを取材した。20人ほどが手料理を持ち寄り、穏やかな時間を過ごし、締めくくりは合唱だった。

 ところが、参加者の一人、津波で自宅を流された福島県浪江町の柴美江さん(71)から、思いがけない言葉を聞いた。「1曲だけ、歌えない歌があるの」。それが「故郷」だった。私はなぜか目頭が熱くなり、福島県にゆかりがある人に会うたびに、歌への思いを尋ねるようになった。その数は40人ほどになる。

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