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稲垣久子さん(仮名)は、診察の記録を克明に残している。「闘っている証しです」

 「がんの告知」は人生の一大事だ。さらに「再発・転移」の告知となれば、患者に与える衝撃は計り知れない。いったん再発・転移した「ステージ4」のがんは、完治が難しいとされ、「死」を意識せざるをえないからだ。ゴールが見えない治療と同時に、揺れる気持ちとつきあう日々が続く。

 ●一人だと暗闇に

 埼玉県の主婦、田口直美さん(63、仮名)は昨年4月、肺がんの告知を受けた。リンパ節と脳に転移があり、すでに「ステージ4」。聞いた途端に冷や汗が出て、貧血を起こした。

 「もう何年も生きられない」。その瞬間から苦悩の日々が始まった。スーパーに行けば、他の客が皆、幸せそうに見える。「あの人たちは元気なのに、なぜ私は」。自宅にこもる日が続いた。ソファに座って窓の外に目をやると、見慣れたはずの風景がまるで違って見える。緑が濃いはずの木の葉に、色が感じられなくなっていた。

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