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/242=今野敏 河野治彦・画

第三十一節(2)

「いつ頃到着されますか?」

 長門室長が尋ねると、鹿ノ子チーフがこたえた。

「あと十分ほどで到着します」

 楠木は撮影続行に賭けたが、実は中止になってほしいと思っていた。そうすれば、FC室の任務から解放され、楽な内勤に戻れる。

 撮影続行に賭けたのは、室長に付き合っておこうという気があったからだが、そうなったときのショックを、賭けに勝つことで多少なりとも紛らわそうという計算もあった。

 鹿ノ子チーフの言葉どおり、監督は十分ほどでやってきた。驚いたことに、伊達弘樹がいっしょだった。

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