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余録

明治初めに東京外国語学校のロシア語教師だった…

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 明治初めに東京外国語学校のロシア語教師だったメーチニコフは、休暇の大部分を「この街のどこでも見かけるおびただしい数の書店で過ごすことになった」と記している(「回想の明治維新」岩波文庫)▲書店ではよく若い娘が熱心に本を読んでいる姿を見た。好奇の目で見ていると、娘たちは笑いながら大衆小説本を見せてくれた。ロシア人には庶民の娘が本を読む姿が珍しかったのだろう。彼は人足や召使(めしつかい)たちについても書いている▲「彼らがみんな例外なく何冊もの手垢(てあか)にまみれた本を持っており、暇さえあればむさぼり読んでいた。彼らは仕事中は本を着物の袖やふところ、下帯つまり日本人が未開人よろしく腰に巻いている手ぬぐいの折り目にしまっている」▲少し前の江戸には貸本屋が800軒もあったから、記述はあながち誇張ともいえまい。その本好きで外国人を驚かせたご先祖をもつ私たちである。なのに本を読まない人の割合が書籍・雑誌双方で読む人より多かったとの調査結果だ▲小社の第71回読書世論調査である。不読率が読書率を上回ったのは書籍で11年ぶり、雑誌で5年ぶりという。これは一時的現象か、それとも活字離れが一段進んだのか。気になるのは、マンガを読む若い世代も減ってきていることだ▲日本の高い識字率よりメーチニコフを驚かせたのは、明治の庶民が読書で得られる教養や文化に心底まじめな敬意を抱いていたことだった。さて、日本人はどう変わったのか、約150年後の読書週間である。

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