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LGBT

「終活」相談 性同一性障害の僧、大阪に駆け込み寺

高野山の駐在布教で法話をする柴谷宗叔さん=本人提供

 性同一性障害の僧侶、柴谷宗叔(しばたにそうしゅく)さん(63)が、性的少数者(LGBTなど)のための寺「性善(しょうぜん)寺」を来年度中に大阪府寝屋川市に建立しようと準備を進めている。仏教の勉強のため、51歳で会社を辞めるまでカミングアウトできず、苦しんだ経験を持つ柴谷さん。子供を持たず、老後に不安を抱えることも少なくない性的少数者の「終活」相談など「LGBTの駆け込み寺」を目指す。【篠崎真理子】

     柴谷さんは男性として生まれたが、心の性は女性のため、男らしい振る舞いが苦手だった。新聞記者として活躍したが、仕事を失うことを恐れ、心の性に正直に生きることができずに過ごした。

     転機は1995年の阪神大震災。神戸市の自宅は全壊したが、偶然にも家におらず命拾いした。自宅のがれきの中から、以前に訪れた四国遍路の納経帳を見つけた。「身代わりになってくれた」。強い衝撃を受け、お礼参りに四国へ向かった。

     遍路の途中、装束が男女とも同じことに気付いた。「男性を演じる必要、ないんじゃないか」。心がふっと軽くなった。

     遍路を通じ出会った人に誘われ、仕事をしながら、和歌山県の高野山大学大学院で仏教の勉強を始めた。次第に向学心が高まる。2005年、51歳で思い切って新聞社を辞め、勉強に専念することにした。組織を離れ、自分の心を偽らずにいられることが心地よい。女性になるための治療も本格的に始めた。

     「女子トイレを使ってもいいですか?」。間もなく大学院の職員にカミングアウトした。人生初の経験。その後、僧侶となり、10年に性別適合手術を受け戸籍上の性別を女性に変更した。高野山真言宗も理解を示し、僧籍簿の性別変更も認められた。

     現在、大学の委託研究員として、巡礼や遍路の研究を続ける。一方で、僧侶になった当初から、自身と同様の悩みを抱える人々のための寺を作ることを思い描いてきた。

     寺名「性善寺」には「多様な性は悪いことではない」という信念を込めた。寝屋川市の実家の離れを改築する計画で、同性カップルの永代供養や仏前結婚式などを行う。自分の望む性の戒名も与えたいと考えている。「私だからこそできる寺。あらゆるマイノリティーの相談にも乗りたい」。柴谷さんはそう話す。

     不足する建立資金の寄進を募っている。連絡先は性善寺設立準備事務局(sibatani@mva.biglobe.ne.jp)。

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