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スバルでも不正発覚 日本ブランドを揺るがす

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 日本経済を支えてきたものづくりを揺るがす事態が続いている。

 日産自動車に次いで、SUBARU(スバル)でも車の検査を巡る不正が発覚した。

 スバルは無資格者が検査し、正規の検査員のハンコを書類に押していた。不正は30年以上も続き、常態化していたという。全車種を対象に25万台超をリコール(回収・無償修理)する事態に追い込まれた。

 日産の不正もスバルと同じ無資格者の検査だが、ずさんな対応が消費者の不信をさらにかき立てた。問題が発覚して対策を講じたと発表した後も、無資格検査を続けたのだ。

 一段と悪質なのは、神戸製鋼の製品データ改ざんである。

 品質を保証する日本工業規格(JIS)の認証を受ける際も不正を働いた。JISは基準が厳しく、海外での日本製品への信頼を高めてきたが、これを大きく損なった。

 懸念されるのは、国際的な不信の広がりだ。

 神戸製鋼の製品は米自動車メーカーなどが購入しており、米司法当局が調査に乗り出した。欧州の航空安全当局も航空機メーカーに使用を控えるよう勧告した。スバルや日産も米国など海外が有力な市場だ。

 日本を代表する企業の相次ぐ不正は、品質に裏打ちされた「日本ブランド」への信頼を失わせかねない。

 日本は輸入した原材料を加工し製品を輸出して成長してきた。中国が安い人件費を武器に「世界の工場」として台頭しても、日本製品は優れた品質で競争力を保ってきた。

 その源泉となったのは、きめ細かな生産工程と職人かたぎの誠実な仕事ぶりだ。品質管理への不信が強まれば、日本製品への信用も低下する。海外の消費者やメーカーの間で、日本製品そのものの購入を控える動きが広がってもおかしくない。

 不正の原因は人手不足や納期優先で品質管理がおろそかになったためとも指摘されている。国際競争が激しくなり、日本企業もコスト削減を迫られているが、生産現場にしわ寄せが及んだのだろうか。

 問題を起こした企業は速やかに全容を解明し、信頼回復を急ぐべきだ。トヨタ自動車などは検査体制に問題はなかったと国に報告したが、ほかの企業も点検に努めてほしい。

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