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「面白い!読ませる!」と好評の読書欄。魅力ある評者が次々と登場し、独自に選んだ本をたっぷりの分量で紹介。

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今週の本棚・新刊

『オーケストラ解体新書』=読売日本交響楽団・編

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 (中央公論新社・1512円)

 指揮者、プレーヤー、そして事務局員、オーケストラを巡るあらゆる人々の生の声を集めたドキュメントだ。とかく、華やかな舞台に上る奏者ばかりに光が当たりがちだが、本書は会場の下見や楽器の管理をするステージマネージャーや、楽譜をそろえるライブラリアンらの仕事も丹念に追う。黒衣役に徹する彼らこそが実は主役ではないかと思えてくる。

 もちろん、個性的なマエストロたちの横顔にも引き込まれる。天井を見上げ望む音を探して10分間動かなかったロジェストヴェンスキー。練習終了時間でも時計が見えないふりをしたスクロヴァチェフスキ。「踊り出したい!」ような感動を体に表しながら演奏することを望むカンブルラン。いずれも音楽への大きな愛の塊がタクトを振っているのだ。

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