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漆黒を照らす

大阪を拠点に国際報道に携わるフリージャーナリスト集団「アジアプレス」所属の石丸次郎さんと玉本英子さんの連載企画です。

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漆黒を照らす

/48 北朝鮮から不法出稼ぎ 家族を養うため中国へ /大阪

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緊張が高まり中国との国境警備に動員された民間人。銃を担いでいる=平安北道を中国側から2017年9月末、パク・ヨンミン(アジアプレス)撮影
緊張が高まり中国との国境警備に動員された民間人。銃を担いでいる=平安北道を中国側から2017年9月末、パク・ヨンミン(アジアプレス)撮影

 7月から10月中旬にかけてのべ30日間、朝中国境地帯に滞在した。世はちょうど核とミサイル騒動でかしましく、トランプ米大統領と金正恩氏が、やれ「ロケットマン」だ、「老いぼれ」だと罵りあっていた時である。だが、肝心の北朝鮮の人々の姿や声がほとんど届いてこない、そんな不満を抱きながらの取材旅行だった。

 吉林省の延辺朝鮮族自治州で北朝鮮から不法越境してきた3人の女性に会った。25歳の女性は黒ジーンズに白ブラウスの着こなしで、中国人と見分けがつかない。越境して来て1年、住み込みで家政婦をして1カ月3000元(5万円強)を稼ぐ。

 「北朝鮮では国営建設会社に勤めていましたが、月給は1800ウォン(約24円)で配給もなし。とても暮らせないので中国に来ました。両親に闇ルートで送金しています。家族に会いたいので3年稼いだら戻りたい」と言う。稼ぎで買ったスマホに、家に早く戻れと雇い主から度々電話が入る。買い物に行くと言って抜け出して取材に応じてくれたのだ。

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