- Twitter
- Facebook
- はてなブックマーク
- メール
- リンク
- 印刷

【カイロ篠田航一】イラク北部クルド自治政府の議会は29日、自治政府トップのマスード・バルザニ議長(71)が11月1日に退任することを承認した。バルザニ氏はイラクからの独立の是非を問う9月の住民投票後に混乱を招いた責任を取る形で辞意を示していた。クルド系メディア「ルダウ」などが伝えた。
投票に反発したイラク中央政府は、クルド側が実効支配していた油田都市キルクークに軍を派遣して奪還するなど、自治政府に対する圧力を強化。苦境に陥った自治区ではバルザニ氏の退任を求める声が高まっていた。
29日の演説でバルザニ氏は「対話での問題解決を望む」と退任による事態好転に期待したが、「独立を求める声を消すことは誰にもできない」と独立運動への執念も示した。また「クルドの山々のほかに誰も味方はいなかった」と述べ、周辺諸国や関係が近い米国が投票に反対したことに反発。さらに「住民投票がなくても攻撃計画はあった。クルド側を不安定化させる文化は変わらない」と中央政府を非難した。
この記事は有料記事です。
残り478文字(全文908文字)