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武田 砂鉄・評『料理は女の義務ですか』阿古真理・著

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料理は愛情であると抑圧する主体を探る

◆『料理は女の義務ですか』阿古真理・著(新潮新書/税別740円)

 日曜の昼すぎに放送されている「噂の!東京マガジン」(TBS系)に「やってTRY!」という長寿コーナーがある。街行く若い女性に料理を作らせ、その調理方法の誤りをナレーターやスタジオに並ぶオジさんたちがあざ笑うというおぞましい構図が続く。なぜ、彼女たちは「れんこんのはさみ揚げ」や「イワシのつみれ汁」まで作れなければ笑われるのか。その前提って、覆してはいけないのか。

 有名人が結婚会見を開くと、記者はもれなく新婦の得意料理を尋ねる。「胃袋をつかむ」なんて手あかまみれの表現で、その取り組みを褒めそやす。昨今では作った料理をSNSに投稿することも増え、「料理ができる女性」の説得力は高まる一方。結果、料理をしない女性の多くは、できないことを自嘲して語る。

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