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私の社会保障論 子どもの貧困対策 中流意識を捨てよ=首都大学東京教授・阿部彩

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 日本の貧困率は15・6%。決して低くはない。特に、将来の日本を担う子どもの貧困は深刻であり、早急な対策が必要である。

 ここまでは多くの人が納得するところである。先の衆議院選挙でも、ほとんどの党が、就学前教育の無償化など子どもに対する制度の拡充を訴えた。これに大きな反対論はないだろう。

 問題はその先である。誰がその負担をするのか。

 恐れずに簡略化して言うと、子どもの貧困対策として貧困者により手厚い施策を講じるには、中間層がより多く負担しなくてはならない。日本の財政は既に借金づけであり、借金は将来の労働者、すなわち現在の子どもたちへの「つけ」であるから、これ以上増やすことはかえって次世代のためにはならない。むしろ借金は減らすべきだ。だとすれば、施策の拡大は今の大人が負担するしかない。しかし「誰が負担すべきか」という点が今一つ…

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