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社説

座間で9人の遺体発見 現代の闇に戦慄を覚える

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 現代社会が抱え込む、途方もない闇の深さに戦慄(せんりつ)を覚える。

 神奈川県座間市内のアパートで9人の遺体が見つかった。死体遺棄容疑で逮捕された27歳の男は、ツイッターを通じ被害者と知り合い、自宅に誘い殺害したと供述している。

 8月下旬にアパートに引っ越してきてから、約2カ月という短期間に9人の殺害を繰り返したという。その後の行動も猟奇的だ。殺害後に遺体を解体し、頭部をクーラーボックスに入れ、室内に置いていた。

 男の冷酷さはどこに起因するのか。男は女性への乱暴や金銭が目的だったと供述しているというが、真の動機なのか。被害者の身元を特定し、男の犯罪心理を掘り下げて事件の全体像を解明する必要がある。

 先月24日から行方不明になっていた東京都八王子市内の女性(23)の捜査が端緒になった。女性は、一緒に死んでくれる人を探しているとツイートし、メッセージを返した容疑者に誘い出され、事件に巻きこまれたとみられている。

 ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)が、容疑者と被害者の接点になった点がこの事件の最大の特徴だろう。

 かつて自殺サイトが自殺や犯罪の温床になっていると問題化した。それがきっかけで、ネット上の有害サイトについては、警察やプロバイダー(サイト接続業者)による監視が比較的厳しく行われている。

 しかし、当事者が直接メッセージをやりとりするSNSのツイッターやLINE(ライン)は、人の目が届きにくい。SNSは、現代社会の便利な情報交換の手段かもしれない。だが、悪意を持った加害者が、匿名性を盾にしたまま被害者の懐に入りやすいという怖さも併せ持つことを忘れてはならない。

 男は、殺害した8人の女性に10代が含まれていたとも供述している。判断力に乏しい未成年者が、男に近づいてしまった構図が浮かぶ。

 警察庁によると、SNSを通じて犯罪被害に遭った子どもは昨年、1736人に及び、増加傾向だ。SNSの利用について、家庭や学校での適切な管理や啓発が急務だ。

 事件の衝撃性だけに目を奪われることなく、早急に社会全体で防護策を考えたい。

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