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第4次安倍内閣が発足 「国会に連帯責任」自覚を

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 安倍晋三首相が国会で4回目の首相指名を受けた。8月に改造したばかりの内閣の布陣を全員再任して第4次安倍内閣が発足した。

 首相にまず求めたいのは、憲法66条の趣旨をわきまえることだ。

 同条3項には「内閣は、行政権の行使について、国会に対し連帯して責任を負ふ」とある。国会が首相を指名する議院内閣制の基本原則だ。

 これをいま強調しなければならないのは、きのう召集された特別国会の会期が開会日当日まで決まらない異常事態に陥ったからだ。

 与党は当初、8日間の会期で国会を閉じようとし、野党が反発した。

 安倍政権はその後の臨時国会召集にも応じない姿勢を示していた。それでは今年6月の通常国会閉会から来年1月の通常国会開会まで半年以上も本格的な国会審議が行われないことになる。そもそも内閣改造から3カ月もまともに国会が開かれなかったこと自体が異常なのだ。

 野党側が1カ月以上の会期と首相の所信表明演説、各党の代表質問、予算委員会質疑などを要求したのは当然だ。結局、12月9日まで39日間の会期に落ち着いたが、それを与党はギリギリまで渋った。

 与党側は国会での野党の質問時間を削減することも提案した。それが国会審議に応じる条件であるかのような駆け引きを続けた背後に、「森友・加計」問題で野党から追及される場面を減らしたい首相へのそんたくがあったと考えざるを得ない。

 なぜ内閣が国会に責任を負うのか。それは首相の地位が国会から与えられているからにほかならない。

 国会にはもちろん与党も野党も存在する。なのに安倍首相は、首相指名選挙で自らに投票した与党の了承だけで行政権を行使できると考えていないか。首相に同調しない野党を含む国会全体に対し説明責任を果たすことで、初めて内閣の権力行使が正当化されると理解すべきだろう。

 首相は北朝鮮情勢と少子高齢化を「国難」と呼んで衆院解散に踏み切った。それだけ重要な政治テーマが目前にあるのであれば、なおさら一刻も早く国会で議論するのが筋だ。

 選挙で勝てば国会をパスできるわけではない。「謙虚に、真摯(しんし)に」の言葉通り、国会への説明と与野党の合意形成に努める必要がある。

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