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余録

相手が手札をながめていたり…

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 相手が手札をながめていたり、こちらの顔色をうかがっていたりしたら手は弱いというしるしだそうな。いや、ポーカーの話である。だが、それも強い手を隠す勝負師の駆け引きかもしれないから油断ならない▲ポーカーのプレーヤーが無意識に示す癖(くせ)を「テル」という。一般的に手が強い場合は迷わない。手が弱いとブラフ(はったり)をかけるか迷う。だからブラフをかける時には迷ってはならず、手の強い時には考えるふりをすることだ▲こちらは選挙にめっぽう強い日米の“勝負師”をもってなる指導者の間でうたわれた「揺るぎない同盟」である。相手は戦争の脅威をふりかざすブラフでは筋金入りの北朝鮮だが、勝負のテーブルには他の東アジア諸国も座っている▲きのうの日米首脳会談後の記者会見では、北への圧力の強化で「完全に一致した」と語った安倍晋三(あべ・しんぞう)首相である。トランプ米大統領も拉致(らち)被害者家族らと初面会して問題解決への努力を表明するなど、日米の緊密な連携を印象づけた▲会談はすでに5回目という日米首脳の親密な関係を世界に示した訪日だった。ただ世界はトランプ政権の足元の揺らぎを見ていようし、瀬戸際(せとぎわ)政策で場数を踏んできた北朝鮮は米国と日韓の安全保障上の利害の違いを計算済みだろう▲トランプ氏との親密な関係の利点だけでなく、リスクも十分に視野に入れておかねばならぬ平成の「国難」である。くれぐれも諸国民の生命を賭け金にしたブラフだけはご勘弁願いたい勝負師たちの宴だ。

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