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三浦 天紗子・評『拡大自殺』片田珠美・著

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誰かを巻き添えにして死にたがる心理の裏側

◆『拡大自殺』片田珠美・著(角川選書/税別1700円)

 〈絶望感から自殺願望と復讐願望を抱き、誰かを道連れに無理心中を図ることを精神医学では「拡大自殺」と呼ぶ〉らしい。世界中で頻発している自爆テロや大量殺人、介護心中や親子心中もこれに当てはまる。自暴自棄になり、誰かを巻き添えにして死ぬ行為の根底には、しばしば復讐願望が潜んでいるという。

 介護に疲れて、あるいは引きこもりや障害を持つ子どもの将来を悲観してなど、一見、復讐心とは無関係に見える事件も、動機の深層を探っていくと、〈投影〉という心理が浮かび上がる。いわば自分の中の内なる悪を消そうとする自己破壊衝動を他者や社会にも向けるのが投影で、それは拡大自殺に結びつきやすい。

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