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社説

高止まりする若者の自殺 座間事件は私たちの問題

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 神奈川県座間市で9人の遺体が見つかった事件は、今の社会に深く根差したところに原因の一端がある。猟奇性ばかりに注目せず、私たち自身の問題として受け止める必要があるだろう。

     逮捕された男はツイッターのアカウントで「首吊(つ)り士」などと名乗り、自殺志願者を物色しては自宅に連れ込んでいた。被害者の中には、女子高生ら10代の女性4人が含まれていると見られている。

     日本の自殺者数は2003年をピークに減ってきているが、若年層だけは高止まりしている。15~39歳の死因は自殺が最も多い。15~34歳の自殺率は事故による死亡率の2・6倍に上る。先進7カ国で自殺が事故死を上回るのは日本だけだ。

     会員制交流サイト(SNS)には未成年による自殺願望の書き込みがあふれている。座間事件の容疑者は若者たちの孤独や自殺願望につけ込んで犯行を繰り返していた。

     家庭や学校での人間関係が希薄になり、子どもや若者の家族・学校に対する帰属意識が揺らいでいることが指摘される。心のよりどころがない若者にとっては、匿名性が高いSNSが「居場所」になっている実態がある。本音を吐き出すことができて、不特定多数の人たちからたくさん返事が来るのがSNSだ。

     「学校で見る子どもたちは10年前も20年前も今も変わらない。だが、大人が知らないところに子どもたちはもう一つの世界を持つようになった」とある小学校教師は言う。

     特に、10代後半は学校教育の対象から外れ、児童福祉にもつながらない空白期でもある。信頼できる人や仕事のない人を吸い寄せているのが、SNSや風俗だ。親身に相談に乗ってくれる。肯定感を与えてくれる。そんなところにひかれる少女は多い。座間事件の容疑者は違法風俗に女性を紹介して5月に有罪判決を受けたばかりだった。

     若者向けのパンフレットを作り、保健所に相談窓口を設置するだけでは、自殺願望のある若者にはなかなかつながらないだろう。SNS時代に合った対策が必要だ。

     若者たちが孤独や疎外感に侵されず、信頼と安心を感じられる社会をどう作るかについて長い目で取り組まないといけない。

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