メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

社説

中間貯蔵施設の運用本格化 福島復興の新たな一歩に

[PR]

 東京電力福島第1原発事故に伴う福島県内の除染で生じた土壌などを保管する中間貯蔵施設(同県大熊町、双葉町)の運用が本格化した。福島の環境を再生し、復興を軌道に乗せる新たな一歩となってほしい。

     帰還困難区域を除くと、県内の除染はほぼ終わった。これまでに1500万立方メートルを超す汚染土壌などが発生したが、多くは県内各地に仮置きされたままだ。中間貯蔵施設への搬入を着実に進める必要がある。

     中間貯蔵施設は、汚染土壌を保管する「土壌貯蔵施設」や土壌から取り除いた草木などを燃やす「減容化施設」など複数の施設で構成される。環境省が、福島第1原発を取り囲む1600ヘクタールの敷地に建設を進めている。最大で約2200万立方メートルの汚染土壌などを貯蔵する。

     今回、運用が始まったのは大熊町側の土壌貯蔵施設の一部だ。農地だった場所に穴を掘って防水工事などを施した。受け入れた土壌の放射線量を測った上で、分別貯蔵する。

     年度内には双葉町側の土壌貯蔵施設も稼働する予定で、他の施設も順次、整備される。

     ただし、中間貯蔵施設の用地買収はまだ終わっていない。国が取得できたのは施設予定地の約4割にとどまる。地権者は2300人を超えるが、登記記録が古いことなどから、連絡先不明の地権者が500人以上いる。国は、地権者の追跡調査や施設の必要性に関する丁寧な説明に、今以上に力を注ぐべきだ。

     仮置きされていた汚染土壌の一部は中間貯蔵施設の予定地内に移送されており、現在は1日に10トントラック延べ約350台が往復する。本格運用後の輸送頻度は、最大で10倍近くになる見通しだ。交通安全の確保にも十分な配慮が欠かせない。

     国は福島県を汚染土壌の最終処分地にしないと約束してきた。中間貯蔵施設での保管は2045年3月が期限となる。しかし、県外処分のめどはまったく立っていない。

     環境省は、放射能が一定濃度以下の汚染土壌を公共事業の盛り土などに再生利用する方針で、実証事業を同県南相馬市で実施している。

     長期的な安全が確保されるのか、疑問の声も根強い。得られたデータを広く公開し、専門家の評価も受けつつ、慎重に対応すべきだ。

    おすすめ記事
    広告
    毎日新聞のアカウント
    ピックアップ
    話題の記事

    アクセスランキング

    毎時01分更新

    1. 池袋の女性遺体 殺人容疑で大学生逮捕 「手で首を絞めた」 

    2. 男子高校生を買春容疑、小学校長ら逮捕「欲望を抑えられなかった」

    3. 北九州市最大のソープランド摘発 経営者ら売春防止法違反容疑で逮捕

    4. 女性遺体、窒息死か 殺人容疑で捜査 ホテルの部屋、男が出入り 東京・池袋

    5. 池袋のホテルで女性?の変死体 遺棄事件で捜査

    編集部のオススメ記事

    のマークについて

    今週のおすすめ
    毎日新聞社は、東京2020大会のオフィシャルパートナーです