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余録

「以上のような次第で、私は…

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 「以上のような次第で、私は『あらゆる栄光につつまれたソロモン王』を目のあたりにしたのである」。こう記すのは清(しん)の乾隆帝(けんりゅうてい)に熱河離宮(ねっかりきゅう)で謁見した英使節のマカートニーだ▲1793年、清との通商条約の締結を目指して訪問した英使節団だった。それは皇帝を中心にした階層秩序(華夷(かい)秩序)で世界を理解していた中国にとって、対等の主権国家からなる西欧近代の国際秩序との初めての出合いとなった▲というのも清朝側が皇帝への三跪九叩頭(さんききゅうこうとう)という臣下の礼をとるように求めたのに対し、英国王の代理であるマカートニーが固く拒んだからだ。結局、83歳の乾隆帝は遠方の使節の特例として片膝をつくだけの礼を認め、謁見が成った▲こんな故事を思い出したのも、トランプ米大統領が北京の故宮で習近平(しゅうきんぺい)国家主席による破格の接遇を受けたからだ。共産党大会で権力基盤を固めた主席には、帝王的大統領と評される相手を迎える絶好の舞台装置に見えたのであろう▲乾隆帝の謁見は、その後西欧の秩序にのみこまれていく中国の衰退の序曲になった。これに対し今世紀半ばに世界最高水準の先進国化をうたう習体制が、この会談を新たな歴史のスタートラインにしたいと考えるのも成り行きだろう▲謁見に成功したマカートニーだが、肝心の通商はにべもなくはねつけられた。かたやトランプ氏はなんと2500億ドル以上もの商談を持ち帰るという。ただ目指される新秩序が、かつての中華帝国の華夷秩序に似てはいまいかと心配になる。

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