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ヘルプマーク

気付いて手助けを 普及へ導入の自治体拡大

「ヘルプマーク」をかばんに付ける筋ジストロフィー患者の白井祥剛さん=大西岳彦撮影

 難病や人工関節、内部障害など外見では分かりにくいハンディのある人から、周囲に援助や配慮の必要性を知らせるための「ヘルプマーク」の普及に取り組む自治体がこの1年で増えた。昨年4月の障害者差別解消法施行などが追い風になった。詳しい市民グループによると14都道府県で導入が進み、近畿でも昨年4月の京都府を皮切りに兵庫県を除く2府3県が始めた。だが導入が進む一方で認知度が追いつかず、新たな課題になっている。

 ヘルプマークは2012年、当時東京都議で、人工関節を使用する山加(やまか)朱美さん(63)の提案で都が作成したのが始まり。周囲の人に▽電車やバスの座席を譲る▽駅や商業施設で困っていたら声をかける▽災害時に避難を支援する--などを呼びかける。

 都によると、京都府が採用を決めるまで、他の自治体の動きはなかった。だが、障害者差別解消法施行に加え、今年7月にヘルプマークがJIS(日本工業規格)に追加され、「非常口」や「温泉」マークなどと同様の公的な意味合いを持ち、導入が加速した。ボランティア団体「全国ヘルプマーク普及ネットワーク」(静岡県三島市)によると14都道府県の内訳は都や近畿の自治体のほか、▽北海道▽青森▽栃木▽神奈川▽岐阜▽徳島▽愛媛▽広島--。都は2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向け、全国への普及を目指す。

 しかし、利用者からは導入を決めた自治体に「つけていても気付いてもらえなかった」との声が上がり、認知度アップが課題に。京都府では京都精華大の学生の協力で啓発漫画を製作。高校進学時に公共交通機関の利用が増えるとみられる府下全域の中学2年生全員に配った。さらに、外国人観光客が多く訪れる京都市は市バスと地下鉄の全車で優先席付近に英訳付きのステッカーを張るなどする。

ヘルプマーク

 難病患者が語り合う「難病カフェ大阪」を主宰する、筋ジストロフィー患者の白井祥剛(しょうご)さん(29)=大阪府熊取町=は3カ月マークをつけているが、まだ電車で席を譲ってもらうなどされたことはないという。白井さんは「行政任せにせず、利用者がブログなどでマークを身につけた感想などを発信すれば普及が進むはず」と話す。

 ヘルプマークの「生みの親」の山加前都議は「人工股関節のために痛むことがあり、電車の優先座席に座っていると『若いのになぜ座ってるんだ』と怒られることもあったので提案した」と語る。「東京オリンピック・パラリンピックを機に、日本発の福祉のマークが世界標準になればうれしい」と期待する。【林由紀子】

 【ことば】ヘルプマーク

 縦8.5センチ、横5.3センチの長方形の樹脂製のプレートで、かばんなどにつける。赤地に白であしらった十字とハートのデザインで、助けを必要としていることや支援の気持ちを表す。障害者手帳の有無にかかわらず、導入自治体の福祉担当窓口などで該当する希望者に無償で配布している。

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