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日本で生きるチベット難民(その1) いつか帰りたい故郷

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患者を診察する武蔵台病院の西蔵ツワン院長=9月19日、竹内紀臣撮影
患者を診察する武蔵台病院の西蔵ツワン院長=9月19日、竹内紀臣撮影

 埼玉県日高市にある一般病院「武蔵台病院」の院長は日々多忙だ。65歳だが、外来診療や回診に飛び回り「お加減どうですか?」と気さくに声をかける。柔和な笑顔を絶やさない院長の名は西蔵(にしくら)ツワン。52年前に来日したチベット難民で、チベットでの名はツワン・ユーゲルという。すっかり日本に溶け込んでいるせいか「患者さんに驚かれることもあるんですよ」。いたずらっぽくほほ笑む。

 南北を山脈に挟まれ、独自の文化を築いてきたチベット。1949年に建国した中国は軍を進駐させ、支配下に置いた。59年、抵抗するチベット族が武力で鎮圧されると、チベット仏教の最高指導者で政治的権威も持つダライ・ラマ14世(82)はインドに逃れ、チベット亡命政府を樹立。後を追って何万人ものチベット族が険しい山々を越えていった。その中にツワン少年もいた。

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