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武田 砂鉄・評『スリップの技法』久禮亮太・著

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寡黙な仲人が提供する読者と本の出合いの場

◆『スリップの技法』久禮(くれ)亮太・著(苦楽堂/税別1666円)

 時に立ち読みの妨げにもなる、新刊本に挟まっている細い紙切れ「スリップ」は、書店店頭の血流を司る毛細血管のようなもの。書店員は客の購入時に抜き取ったスリップを束ね、売上傾向を探るのだ。最近では多くの書店がスリップではなくPOSデータに準拠した店作りをしており、どの店舗を覗(のぞ)いても同じ表情を晒(さら)すチェーン店も少なくない。

 20年近く書店員として働き、現在ではフリーランス書店員として様々(さまざま)な店舗の選書等を手掛ける著者は、購入されたスリップを凝視して数多の情報を嗅ぎ取る。そして、スリップ同士を連動させながら、いくつもの仮説や妄想を投じて「まだ売れていないが、やり方次第でこれから売れるもの」を抽出していく。

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