親しまれ喜ばれる松茸はじつは調理法も幅広い
◆『日本人ときのこ』岡村稔久・著(ヤマケイ新書/税別900円)
松茸と聞くと、あの香りがたまらないとか、土瓶蒸しがいいよねとか、そういう風流さよりも、真っ先に場末の居酒屋の、男女共用のトイレの壁にしばしば掲示されている狂歌を思い出してしまう私。
「急ぐとも心静かに手を添えて外にこぼすな松茸の露」
友人に、この狂歌の作者や背景について探ってくれと頼まれてから5、6年たってしまったが、いまだ解明で…
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