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社説

日馬富士関が後輩に暴行 横綱を名乗るに値しない

伊勢ケ浜部屋の宿舎に戻った日馬富士関=福岡県太宰府市で2017年11月14日、津村豊和撮影

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 大相撲の東横綱・日馬富士関が先月の巡業中、東前頭の貴ノ岩関に暴行し、頭蓋(ずがい)底骨折など全治2週間のけがをさせた。モンゴル出身の後輩力士との宴席で、ビール瓶で殴打したという。

 相撲は元来、神事だという点で他のスポーツや格闘技とは異なる。横綱の土俵入りには平安と五穀豊穣(ほうじょう)の祈りが込められている。だからこそ横綱には、心技体において他の模範となる高い品格が求められる。

 暴行は、最高位の称号を名乗るに値しない愚行というほかない。日本相撲協会は今後、危機管理委員会を開いて対応を検討するというが、厳しい処分を科すべきだ。

 角界では暴力行為が繰り返されてきた。2007年6月には17歳だった時太山の斉藤俊さんが親方からビール瓶で殴られ、さらに兄弟子から暴行を受け、死亡した。親方らは有罪判決が確定した。

 横綱だった朝青龍は10年1月の初場所中に知人男性に暴力を振るい、騒動の責任を取って引退した。

 こういった暴力問題を受け、協会は研修会を開き、社会人として守るべきルールなどを力士に指導してきた。再発防止に至らなかったのはなぜか。原因を究明し、徹底した意識改革を図らねばならない。

 10年の野球賭博問題や11年の八百長問題など不祥事が相次ぎ、大相撲は一時、活況を失った。

 今、人気は復調し、1996年以来21年ぶりに、初場所から九州場所までの全90日間「満員御礼」になることが確実という。

 ツイッターなど会員制交流サイトを使って力士が発信するなど、遠い存在だった力士を身近に感じてもらう工夫を重ねてきた結果だ。

 今年は稀勢の里関が日本出身力士として19年ぶりに横綱に昇進し、横綱・白鵬関が歴代最多の1048勝を記録して大相撲を盛り上げた。

 日馬富士関の振る舞いによって、人気回復に尽くした人たちの努力が水泡に帰すことになる。

 協会の対応も疑問だ。

 暴行があった後の先月下旬、貴ノ岩関が所属する貴乃花部屋では警察に被害届を出したという。しかし暴行がきのう明るみに出るまで協会は公にしなかった。いつ把握したのか。経緯をしっかり説明すべきだ。

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