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核被害の悲惨さを訴え続ける被爆者の声に耳を傾け、平和と核廃絶を求める思いを伝えます。

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2017秋/3 張本勲さん 孤立北朝鮮、同胞案じ

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緊迫する北朝鮮情勢を憂う張本勲さん=東京都内で2017年9月24日、西本勝撮影
緊迫する北朝鮮情勢を憂う張本勲さん=東京都内で2017年9月24日、西本勝撮影

 <ノーベル賞 その先に documentary report 222>

張本勲さん(77)

 川辺の春柳よ 揺れる葉など硬く縛ってしまおうか

 そんな意味の朝鮮民謡は寂しげな旋律で、張本勲さん(77)の耳を離れない。原爆の傷痕も癒えぬまま移った長屋住宅の前で、祭りの日、酔った大人たちが涙交じりに歌っていた。振る舞われた蒸し豚を頬張りながら、少年だった張本さんは何を思ったのか。「民族の意識はあまりなかったからね」。東京都内の自宅で振り返った。

 張勲(チャンフン)の韓国名がある在日2世。財産を整理するため朝鮮に戻った父が客死し、原爆で長姉を失った。残された母は日本語の読み書きができず、帰国を望んでいたと兄から聞いた。玄界灘を渡る船がある日を境に来なくなり、同胞も暮らす長屋に落ち着いた母は、屋台を開いて3人の子を育てた。

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