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上海列車事故 29年後の真実

第1章<5> 「腰が痛くなると、事故を思い出す」

上海列車事故で犠牲になった中国人列車検査員、江意成の葬儀(「上海的不眠之夜」より)

 上海列車事故では、1人だけ中国人の死者がいる。だが、日本はおろか中国でも、その犠牲者のことはあまり報じられていない。比較的詳しかったのは、上海紙の「新民晩報」(1988年3月28日付)と「文匯報」(同3月29日付)だ。

 亡くなったのは、208号列車に検車員として乗り込んでいた長沙鉄路分局(湖南省長沙市)職員、江意成。当時の年齢を、新民晩報は37歳、文匯報は34歳と伝えている。妻・李玉蘭(当時34歳)とは「青梅竹馬」(幼なじみ)で、2人の間には1人娘の江帆(当時8歳)がいた。妻は長沙市の検査技師だった。

 江は優秀な職員で、家庭を大切にし、列車に乗る前には家事をこなして妻子の負担軽減を心がける「模範的な夫」だった--と報道は伝えている。

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