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社説

膨らみ続ける所有者不明地 有効活用のための対策を

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 所有者が分からない土地が、全国で急速に増えている。

     増田寛也元総務相ら民間有識者でつくる研究会が先月、推計を公表した。昨年段階で400万ヘクタールを超える所有者不明の土地が、2040年に約720万ヘクタールに達する可能性があるという。北海道の面積の約9割だ。

     こうした土地が放置されることによる経済的損失は、17~40年で約6兆円に上ると研究会は見積もる。

     所有者が亡くなった後、相続人が税負担を避けたり、土地管理の手間を嫌ったりして登記手続きをしないことが原因だ。古い登記が放置され、所有者の居場所が分からないケースも多い。都市部も例外ではない。

     1990年代から指摘され始めたが、東日本大震災で顕在化した。高台移転事業の区域で、土地の権利関係が複雑で土地の取得が難航したのが一例だ。防災以外も公共事業に支障が出るケースは各地でみられる。

     民間の開発にもマイナスだ。結果的に社会の活力がそがれてしまう。長期的に解決すべき社会的な課題と位置づけ、対策を急ぐべきだ。

     都市への人口集中と過疎化の進行、利用価値が低い土地の相続に対する国民全般の無関心が背景にある。どうすればこうした土地の増加に歯止めをかけ、負の遺産になることを防げるのか。

     柱の一つは登記手続きの促進だ。法務省が具体策を検討中だ。事務を担う市町村の意見も取り入れ、実効性のある案をまとめてもらいたい。

     もう一つが土地の利用だ。国土交通省は所有者不明のまま長期間空き地になっている土地について、5年程度の利用権を設定し、農産物の直売所やイベント広場など公益性のある事業に活用できる制度創設を考えている。来年の通常国会に関連法案を提出する方向という。

     財産権は憲法で保障された権利であり、慎重な対応が必要である。ただし、土地収用法に基づく収用など、現行でも公共の福祉のために財産権は一定の制約を受け得る。所有権を有する以上、所有者が適切に管理する責任を負うのも確かだ。一定の条件下で土地の利用ニーズに応えていく方向性は妥当だろう。

     行政だけで解決できる問題ではない。民間も巻き込みながら、幅広い利活用の方策に知恵を絞りたい。

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