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内田麻理香・評 『共依存の倫理-必要とされることを渇望する人びと』=小西真理子・著

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 (晃洋書房・3240円)

分離ではない解決策を探る

 共依存という言葉は世の中に浸透しているが、実際は、共依存は精神医学で正式な病理とは認められておらず、その存在自体が疑わしいと批判されている。本書は、共依存の概念の誕生からその意味が拡張していく様子を追い、共依存を病理とする概念の背景にあるイデオロギーをあぶり出す。そして、現在の共依存をとりまく言説の裏で、見逃されてきた倫理や現実に焦点を当てる。

 共依存は「コ・アルコホリック」という語が変化したものだという。米国ではアルコール依存症者(アルコホリック)を支える配偶者たちが注目され、病理性を抱える者として治療が促された。コ・アルコホリックの概念は他の依存症者への対策までその範囲を広げ、共依存という概念が定着した。

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