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点字ブロック

やっぱり黄色「弱視の人にも見やすい」

床面と同系統のグレーの点字ブロックが敷かれているJR高山駅構内。奥には黄色の点字ブロックもある=岐阜県高山市で、視覚障害者生活情報センターぎふ提供

 景観の観点からグレーや白色、茶色の点字ブロックが各地で広がり、視覚障害者団体が「弱視の人には見えにくい。黄色にしてほしい」と求めている。点字ブロックの色を規定する法律や制度はなく、設置者の裁量に任されている。【高橋祐貴】

 弱視者は点字ブロックの凸凹だけでなく、目で追うことで歩行の助けとしていることが多い。日本盲人会連合によると、全国約34万人の視覚障害者のうち弱視者は7割に当たる約24万人。弱視者である岡山県視覚障害者協会の片岡美佐子会長(64)は「黄色以外だと道路に溶け込んで見えず、自転車や歩行者とぶつかることがある。命に関わる問題だと知ってほしい」と訴える。

 「飛騨の小京都」と呼ばれる岐阜県高山市。玄関口であるJR高山駅の駅舎や西口のバス停近くに、歩道と同系色のグレーの点字ブロックがある。昨年10月の駅改修工事で敷かれた。JRが担当した部分は黄色だが、市が敷設した部分の多くはグレーだ。

 市の担当者は「デザイン性を考慮した」とした上で「歩道と点字ブロックの色に濃淡をつけている」と説明する。高山市視覚障害者福祉協会は改修工事の前から黄色にするよう市に要望していたが、受け入れられなかった。今年4月、黄色への変更を求める要望書を提出したが、市は変更しない方針で、改修中の東口付近では黄色を多く設置するとしている。

 JR金沢駅でも2014年3月、北陸新幹線開業に伴う再整備で西口付近のグレーの路面に白色の点字ブロックが敷設された。設置した金沢市は「デザイン性のある都市作りで観光客の増加につなげたかった」と話す。石川県視覚障害者協会との事前協議で反射材を入れることで合意。しかし、同協会によると、弱視者から「横断歩道と区別がつきにくい」との声が上がる。

 こうした問題は以前からある。京都府庁では1990年の庁舎建設時、190カ所に約1300枚の茶色の点字ブロックが敷設された。建物との色調を合わせるためで、府視覚障害者協会が約5年前から毎年、黄色にするよう求めているが、改修予定はない。府は「補修の際、黄色を設置したい」としている。

 点字ブロックの色に規定はない。旧建設省が85年に各都道府県に出した指針で「原則黄色」としていたが、01年に日本工業規格(JIS)で形状の規格が統一された際に色の条件は盛り込まれなかった。路面とのコントラストを確保できればよいとの判断だったという。06年施行のバリアフリー新法では「周囲の路面と容易に識別できる色」とされている。

路面との対比、鮮明にすべき

 点字ブロックに詳しい成蹊大の大倉元宏教授(人間工学)の話 年を取ってから視力に支障が出て、白杖(はくじょう)や点字ブロックを使う生活には慣れていない人が増えている。行政は景観ばかりを意識するのではなく、こうした人たちに寄り添って点字ブロックを敷設してほしい。黄色が望ましいが、少なくとも路面とのコントラストがはっきりした色にすべきだ。

デザイン性より優先を

 点字ブロックの見やすさを示す数値として、路面との明暗の度合いを表す「輝度比」がある。輝度とは物の明るさを表す単位で、一般財団法人「国土技術研究センター」のガイドラインによると、「輝度比2.0」程度なら弱視者にも晴眼者にも見えやすい。

 黄色は明るい色だが、路面も明るい色の場合は輝度比は小さくなるため、どんな場所でも黄色が見やすいわけではない。ただ、一般に路面は暗い色が多く、黄色は輝度比が確保しやすい。

 札幌市では2000年に点字ブロックの整備基準を作成し、「原則黄色」としている。市は「黒やグレーの舗装道路を基本とすれば、黄色が好ましい。デザイン性の観点という話もあるが、弱視の人への配慮を重視した」と話す。金沢市や高山市は独自のガイドラインは作成していない。金沢市によると、JR金沢駅付近では輝度比が1・5未満の場所があるという。

 岡山県はJR岡山駅(岡山市)東側の「桃太郎大通り」(約1キロ)の点字ブロックについて、県視覚障害者協会の要望を受け、05年の岡山国体開催に合わせて大半をグレーから黄色に変えた。

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