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『神話と天皇』古代史家・大山誠一氏刊行 天皇制、藤原氏のため?

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 天皇制とは「藤原氏が永続的に国家の実権を握るため、藤原不比等がつくった制度」と定義する本が出た。大山誠一・中部大名誉教授(日本古代史)の「神話と天皇」(平凡社)。「聖徳太子はいなかった」説を深化させ、古代史全般の解釈変更を迫る意欲作だ。

 議論の出発点になる古代天皇制最大の特徴は「天皇に政治権力がないこと」という。律令上、実権は有力貴族の合議体「太政官」が持ち、天皇は国家の意思決定から排除された。絶対権力者の中国皇帝とは違うのだ。

 その太政官での力関係では、天皇との親近性が重視され、結局、一貫して天皇の外戚(天皇の生母の父)の地位にある藤原氏が合議を牛耳ることになったという。ただ、権力なき天皇では外戚も力の裏付けをもてない。

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