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社説

東京の金融都市構想 都は役目をはき違えるな

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 東京都の小池百合子知事が東京の国際金融都市化に熱心だ。「国際金融都市・東京」構想を発表し、アジアの金融センターとされるシンガポールに出向いて東京を売り込んだ。

 金融都市のランキングで、ロンドンやニューヨークばかりか、香港、シンガポールも下回って久しい東京。高齢化や人口減少を考えても、国内資金の有効活用は急務である。

 しかし、処方箋を間違えては、過去に何度も繰り返された失敗を、再び重ねるだけだろう。

 気になるのが都の関わり方だ。

 都は、資産を運用する業者が諸外国より少ないことを問題視し、「育成プログラム」を創設するという。政府系金融機関や民間の銀行、保険会社など機関投資家に、いわば新規運用者の練習台となる資金を出してもらおうという話のようだ。都も経費の一部を負担する。

 だが、新興業者が運用に失敗し、機関投資家が提供した資金が焦げ付いた時、誰が責任を取るのだろう。そもそも官製のプログラムに頼る業者が、金融の世界で成功するのか。

 金融専門の人材を首都大学東京大学院で養成する、という取り組みも奇妙だ。都立の機関だから使い勝手が良いのかもしれないが、人材の確保というなら世界に求めるべきだ。

 国内金融機関がロンドンに置く拠点に都の職員を派遣するという計画もちぐはぐである。税金を使って都職員に学習させるより、必要ならその道のプロと契約すればよい。

 都は、インターネットやスマートフォンを使った金融(フィンテック)の分野で、外国企業の誘致に力を入れる方針だ。誘致目標数まで掲げているが、有望な企業かどうかを都が判定するのは無理がある。

 日本の金融が抱える課題は複合的だ。実質ゼロ金利でも大半の国民が銀行預金を選ぶ背景から手をつけていかねばならない。都がロンドンの金融街と手を組めば改善するほど単純ではない。

 都は規制緩和などで国と協力し、民間の事業者が国籍に関係なく自由に競争できるよう、環境づくりに徹した方がよい。

 活気のある金融都市は市場参加者がつくる。産業を育て、金融の技術革新を主導するのが役目だとはき違えてはいけない。

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