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女の気持ち

弁当の箸 山口市・鮎川節子(88歳)

 娘が小学3年の時、2学期末の保護者会で先生がこう話された。「うれしいお知らせがあります。この学校に入学以来、一言も口を利かれなかったAさんが最近少し話ができるようになりました」。すると保護者会に出席されていた女性が手を挙げてお辞儀をされ「先生、皆さん、特に鮎川さん、ありがとうございました」と深く頭を下げられた。

 娘からある程度、聞いてはいたが、学校給食のない時代、弁当を前にして隣席のAさんがうつむいている。それを見て娘は箸がないんだと察し、自分の箸を二つ折りにしてお互い食事を終えた。その時は無言であったAさんが授業が終わって帰る時「さようなら」と小さい声。娘も初めて聞くAさんの声だった。

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