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社説

三菱マテリアル系も不正 長期の放置で重ねた背信

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 偽装に手を染めたことに加え、問題を把握した後も長期間放置した。顧客に対する二重の背信である。

 三菱グループの金属メーカー、三菱マテリアルは子会社3社が製品データを改ざんしていたと発表した。取引先が求めた品質を満たしていないのに書き換えたという。

 出荷先は自動車、航空機、電子機器など200社超と広範に及ぶ。自衛隊の航空機や艦船にも使われている。日本の基幹産業や安全保障にも影響しかねない不祥事である。

 親会社として製品をチェックしてきた三菱マテリアルの責任は重大だ。「安全性の問題は確認されていない」と説明するが、日本製品が海外で評価されてきた要因は、きめ細かな生産工程への信頼である。これを裏切る行為は許されない。

 データの改ざんは神戸製鋼所に続くものだ。三菱マテリアルは財閥の流れをくみ、有力財界人を輩出した名門である。しかも悪質なのは不正が分かってから、半年以上も問題ある製品の出荷を続けたことだ。

 子会社の三菱電線工業は2月に検査部門が改ざんを把握し、3月に経営陣に報告した。だが出荷を止めたのは10月になってからだ。安全軽視の体質にはあきれるしかない。

 三菱電線は「製品が多く、確認に時間を要した」と釈明するが、隠蔽(いんぺい)とみられても仕方がない。

 日本を代表するメーカーでは、日産自動車やSUBARU(スバル)でも無資格社員による検査が横行していたことが発覚した。

 心配なのは、これだけ不正が相次ぐ日本の製造業が構造的な問題を抱えていないか、ということだ。

 三菱マテリアルは原因について「調査中」としか話していない。徹底した究明を急ぐべきだ。

 一連の不正を巡り、日産は原因を検査員不足、神戸製鋼は納期優先の体質と報告した。ただ背景に何があるかまでは踏み込んでいない。

 人口減に伴い企業の生産現場は人手不足に陥っている。グローバル競争の激化による収益至上主義も目立つ。こうした構造的変化が不正の背景となっているのなら、ものづくり立国の土台を揺るがしかねない。

 産業界として問題意識を共有し、生産体制のあり方などを点検する必要がある。

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