- ツイート
- みんなのツイートを見る
- シェア
- ブックマーク
- 保存
- メール
- リンク
- 印刷

「ビビー」。耳栓越しに警報音が鳴り響く。作業員たちは一斉に手を止め、クレーンにつられた長さ12メートルの鋼管が頭上を通り過ぎるのを見守った。ドイツ北端リューゲン島のワスコ・エナジー社工場。毎日約200本が、海底敷設用にコンクリートで被覆処理されている。使用先はロシアとドイツをつなぐ約1200キロの天然ガスパイプライン「ノルド・ストリーム2」(NS2)だ。露国営エネルギー資源会社ガスプロムが欧州5社と計95億ユーロ(約1兆2600億円)を出資し、2019年の完成を目指す。【ザスニッツ(ドイツ北部リューゲン島)で八田浩輔】
17カ国から約200社が参加するこの巨大プロジェクトはいま、「敵」に直面している。欧州の「盟友」であるはずの米国だ。トランプ米大統領は8月、対露制裁強化法に署名。制裁対象を、ロシアの石油・天然ガス輸出パイプライン建設を目的とする投資や技術を支える外国人・企業にも広げたのだ。
この記事は有料記事です。
残り537文字(全文938文字)