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もう一度食べたい

あおそ 老樹に実る幻の柿

かつて串柿に使われていた「あおそ」。ザルの外は四ツ溝柿(右上3個)と富有(ふゆう)柿

 「皮の黄色い細長い柿だった。つるし柿にすると果肉がいつまでも硬く、それはおいしかった。子どもの頃、『犬食わず』とか『あおそ』と呼んでいた渋柿です」。栃木市の農業、山田定一さん(69)が、そう懐かしがる「あおそ」。どう考えても昔の品種である。その柿はいまもあるのだろうか。どんな漢字で表すのだろうか。

 干し柿産地の東北地方の農協を取材したが「分からない」。西日本ではどうか、と珍しい柿博物館を併設する奈良県果樹・薬草研究センター(五條市)の研究員、上田直也さん(33)に聞くと「文献の多くは『アオソ』と片仮名。ただ『青曽』の漢字表記もある。古い品種で来歴は定かでないが、和歌山県では今も台木用に使われており、どこかに残っているはず」という。

 産地にあたると紀伊と泉州を分ける葛城・三国山系ふもとの和歌山県かつらぎ町四郷(しごう)地区に「あおそ」が残っていると分かった。紀の川を背に車で急峻(きゅうしゅん)な山道を登ると途中で耳がツーンとしてくる。ガードレールもない山道。「間違えたか」と不安になった頃、標高600メートルの四郷地区東谷の里に着いた。かやぶきの民家も残っており、スダレのような干し柿(串柿)が庭先を埋めていた。

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