◆著者・門井慶喜(かどい・よしのぶ)さん
(講談社・1728円)
宮沢賢治を父政次郎の目から描いた異色の長編小説。読了して胸に去来したのは、「賢治のお父さんて、なんて大変だったことか」という感慨。『銀河鉄道の夜』や「雨ニモマケズ」の詩などで親しんだ賢治、国民作家の賢治が思いもよらない姿をみせる。それはズバリ“困った息子”。その行状のおかしさと、父の愛情の深さをリズムよくつづって一気に読ませる。
自身も中3、小6、小3の3人の男の子の父親。3年ほど前子どものために賢治の伝記漫画を買ったのだという。「賢治のお父さんは最初と最後に少ししか出てこないんですが、立派な人でして、現代性があったんです。厳しさと過保護の間で揺れ動く現代のお父さんそのものだった」。従来の研究では、お話を書きたいという賢治を抑圧した存在といわれる。「裸眼で見たら、人間としてすごい人だと思った。直感ですね」
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