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灯台150年

「歴史学んで」海保がカード

現存する国内最古の神子元(みこもと)島灯台。点灯開始は1870(明治3)年で静岡県の下田港沖合約10キロの無人島に建てられた=海上保安庁提供

 1868(明治元)年に西洋式灯台の建設が始まってから来年で150年になるのを記念し、海上保安庁は名刺大をイメージした「灯台カード」を作成する。全国に3199基ある灯台のうち、海保が150基を選定。そこに足を運んでスマートフォンのアプリで二次元コードを読み取ると、灯台カードのデータが入手できる仕組みを考えている。開始は来年の「灯台記念日」(11月1日)を想定している。

    アプリから入手

    1874(明治7)年に点灯を開始した犬吠埼灯台。二重構造の円形レンガ造りで、約19万3000個のレンガが使われている=千葉県銚子市で、海上保安庁提供

     インフラを対象にしたカードには「ダムカード」や「マンホールカード」があり、好評だ。灯台カードは、これまで一部の管区海上保安本部が独自に発行するなどしてきた。今回は150周年に合わせ、明治、大正期に建設されるなど歴史的価値の高いものを中心に、全国の灯台のカードを作ることにした。

    1876(明治9)年に点灯を開始した総御影(みかげ)石造りの角(つの)島灯台=山口県豊北町で、海上保安庁提供

     カードを印刷するためのデータがほしい人は、灯台のいずれかの場所に示される二次元コードをスマホで読み取る。すると、灯台のカラー写真のほか建設の歴史的経緯や、灯台の高さといった情報が盛り込まれたカードが入手できるという。

    「外圧」で建設

     西洋式灯台はレーダーなどが発達した現在も、船乗りらが港や船の位置を把握したり、針路変更したりする際に活用され、すべて無人で稼働している。建設されたきっかけは、1866(慶応2)年にまでさかのぼる。

     当時の関税率は約20%だったが、引き下げを求めた英・仏・オランダ・米の4国の連合艦隊が兵庫県沖に集結。この圧力により、徳川幕府は4国と関税率を5%に引き下げる改税約書(江戸条約)を結んだ。その際、入国する外国船のために東京湾周辺など8カ所に、西洋式灯台の設置を求められた。

     事業を引き継いだ明治新政府は、2年後の明治元年11月1日に「観音埼(ざき)灯台」(神奈川県横須賀市)の建設を開始。以降、明治期には外国人技師らによりレンガや石造りなどの灯台が全国で約120基建設され、西洋技術導入の先駆けとも言われている。

     海保は産業遺産を残すため、有識者委員会を発足させるなど保全に取り組む。現在も1874(明治7)年に点灯を始めた犬吠埼灯台(千葉県銚子市)など、明治期の計64基が海を照らす。海保の担当者は「灯台は海に囲まれた日本の発展を支えてきた。カードをきっかけに灯台に足を運んでほしい」と話す。【酒井祥宏】

     【ことば】灯台

     664(天智3)年、帰国する遣唐使の船の目標となるように、九州地方で昼は煙を上げ、夜はかがり火を燃やしたのが日本の灯台の始まりとも言われている。江戸時代になると、石積みの台の上に「灯明台(とうみょうだい)」「かがり屋」と呼ばれる小屋を建て、その中で木を燃やしたり、障子の中で油を燃やしたりする和式灯台が登場。明治初めまでに全国で100基以上が建てられたが、改税約書の締結以降、遠くまで光が届く西洋式灯台が相次いで建設された。

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