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漆黒を照らす

大阪を拠点に国際報道に携わるフリージャーナリスト集団「アジアプレス」所属の石丸次郎さんと玉本英子さんの連載企画です。

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漆黒を照らす

/50 亡命北朝鮮兵と寄生虫 栄養も衛生も劣悪 /大阪

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厳寒の中、堆肥づくりに動員された女性たち=北朝鮮中部地域で2015年1月、キム・ドンチョル氏撮影
厳寒の中、堆肥づくりに動員された女性たち=北朝鮮中部地域で2015年1月、キム・ドンチョル氏撮影

 11月13日に、南北朝鮮の軍事境界線にある共同警備区域(JSA)から韓国側に逃げようとして撃たれた北朝鮮兵士。生死のふちをさまよいながら受けた手術の過程で、B型肝炎や結核などの感染症を患っていたこと、そして体内に大量の寄生虫がいたことが明らかになった。JSAに勤務するエリート兵であったにもかかわらず、栄養と衛生状態が相当に劣悪だったわけだ。

 日本でもかつては寄生虫を持っているのは珍しいことではなかった。55歳の私は大阪の都市部で育ったが、小学校の頃に蟯虫(ぎょうちゅう)が検査で見つかってがっくりしたことを覚えている。私より上の世代では寄生虫がいるのはごく普通のことだった。だが、虫下し(駆虫剤)の普及と衛生管理が進んで劇的に改善し、今では聞くことも少なくなった。

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