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今回の事件を通じ、若者を取り巻く現状に目を向けてほしい。過去10年の統計では、日本の29歳以下の若者は1日平均で約10人が自殺している。近年、15~34歳の死因の1位が「自殺」という国は、主要先進7カ国で日本だけだ。
多くの若者は自己肯定感が低く、社会に期待を失っている。国の昨年の調査でも「過去1年以内に本気で自殺を考えたことがある」と回答した割合が最も高かったのは20代だった。今回の事件の被害者は例外的な存在ではなく、氷山の一角だ。
過度な競争を強いられ、逃げ出さず頑張り抜くことが良しとされる社会では、弱音が吐きづらい。今回の事件では、被害者が容疑者ではなく、共感してくれる支援者や相談先につながっていたのなら、被害に遭わずに済んだはずだ。
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