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<sui-setsu>
「ヒトラーはユダヤ人の大量虐殺を命じていない」「ホロコーストはなかった」
そう主張する歴史家に、自らの著書で反論した歴史学者が名誉毀損(きそん)で訴えられる。争いようのないはずの事実が、審理にかけられた裁判が2000年のロンドンで繰り広げられた。
来週末から公開される映画「否定と肯定」はこの事実に基づいている。訴えられたデボラ・リップシュタットさんが最近来日した。彼女は「こんなに今日的な意味を持つ作品になるとは思ってもいなかった」と切り出した。
映画化が持ち上がったのは09年だった。当時は「フェイク(偽の)ニュース」という言葉もトランプ現象もなかった。自分の立場に好都合だったり、自らの思いや願望に沿っていたりすれば、虚偽でも不確かでも、その情報を受け入れるといった風潮は想像すらできない時期だ。
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