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社説

経団連会長会社でも不正 企業不信招く深刻な事態

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 またも日本のものづくりをめぐる不正が発覚した。

     しかも、経団連の榊原定征(さだゆき)会長の出身企業グループで起きた。東レの子会社で自動車用タイヤの補強材などを手がける東レハイブリッドコードが、製品の品質データを偽って出荷していたのだ。

     改ざんは2008年4月から約8年にわたり、2人の品質保証室長が主導していた。昨夏に内部で問題化した後、体制を改めたが、不正の事実は公表しなかった。

     経団連の榊原会長は、問題発覚に先立つ27日の記者会見で、三菱マテリアルの子会社による製品データの改ざんを受け「極めて残念に思う。日本の製造業に対する信頼に影響をおよぼしかねない深刻な事態だ」と語った。また、各企業が危機意識を持って自社の管理体制を改めて点検し、信頼を確保する努力がいるという考えも示している。

     経営のあり方を問い直せと産業界に説く財界トップの足元で、不正が長く続いていたことは、まさに深刻な事態である。

     しかも、東レの日覚(にっかく)昭広社長は今回の発表がなぜこの時期になったのか問われて、耳を疑いたくなる説明をしている。

     「ネットの掲示板で書き込みがあり、何件か問い合わせがあった。うわさとして流れるより内容を公表すべきだと考えた」と述べたうえで、「(検査データの不正があった)神戸製鋼所の問題がなければ発表は考えていなかった」と話した。

     榊原会長は、三菱マテリアル子会社が不正を把握しながら半年以上も出荷を続けた点について、記者会見でこう語っている。「本来あるべき姿としては発覚した時点で速やかに公表するのが原則で、どんな事情があったのか」と。

     日覚社長の言葉には自ら襟を正す姿勢が見られないうえ、榊原会長の問いかけにも耳を貸していない。

     安全性を揺るがすものではないと考え、相手企業に納得してもらえれば内々に済ませてもいいという思いが読み取れる。その先にいる消費者や経営の透明性を重視する投資家は見えていないのか。

     不正を絶ち、信頼を取り戻すには、日本企業の多くが陥りがちな内向きの発想との決別も不可欠だろう。

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